コンフィダント・絆@PARCO劇場(千秋楽)

作・演出:三谷幸喜
出演:中井貴一寺脇康文生瀬勝久相島一之堀内敬子

チケット争奪戦にみごとに敗れたものの、運良く定価+手数料程度でオークション落札。千秋楽観劇。
三谷さんは筆が衰えないなー、という印象。この作品は代表作のひとつになるんじゃないだろうか。面白かったー。たぶんまた何年後かに再演されるんではないかと。前半はそれなりに笑いが多いけど、後半はコメディというよりはちょっとほろ苦い大人ドラマ。切ない。
キャスト見たときは「三谷作品の割にやや地味だなー」と正直思ったけれど(スミマセン)、いやはや、実際見てみればそれぞれがハマリ役。5人の登場人物が舞台上でしっかり息づいている感じだった。
お互いの才能への羨望と嫉妬、ルイーズをめぐる色恋沙汰、思いやりという名の残酷さ。5人それぞれに見せ場を作りながら丁寧に伏線を積み重ねていく。世の中に認められているのはスーラでも、その彼が本物の才能を認めているのは売れないゴッホだったり……というあたり、ちょっと「アマデウス」を彷彿とさせたり。終盤、4人の画家の中で一番の「凡人」で、感情移入しやすいシュフネッケル(相島一之)が感情をあらわにするところで思わず涙。中井・生瀬・寺脇を差し置いて(?)相島さんに見せ場を持って行かせるあたりも愛か。
脚本もいいけど、歌とピアノの生演奏を織り交ぜた演出もいい。切なさやほろ苦さを増幅させたり和らげたりしてくれる。微笑ましくも切なすぎるラストシーンも見事。高いチケット代に見合う芝居で大満足。二幕頭では三谷さんがアコーディオンバンドネオン?)持って登場、ピアノと2重奏を披露。練習したんだろうなぁ。
大阪公演はまだまだチケット取れるようなので、関西の方はぜひどうぞ。