宝塚星組「花舞う長安/ロマンチカ宝塚'04ードルチェ・ヴィータ!ー」

維新派詣でのついでに、せっかく関西へきたんだからと宝塚大劇場へ。星組の公演を観劇。90周年のシャッフル公演がひとだんらくして、専科の出演もなく、まさに「組」の公演といったかんじ。トップがいて、娘トップがいて、二番手がいて……というわかりやすい構造。そういう意味ではなんか久し振りに「タカラヅカっぽい」舞台を見たなぁと思ってみたりする。

「花舞う長安」は、舞台美術や衣装は豪華だけど、いまいちストーリーが地味。もうちょっと見せようがあるような気がするんだけどなぁ。もうちょっと脚色がなんとかならんものか。ただまぁ湖月わたるにあの衣装とヅラがよく似合っていて、いつもだったら気になる顔の面白さ(失礼)があんまり気にならず、やけに美しく見えたのが印象的。

さてショーのほうはもう楽しいったら。くるくると変わる場面で飽きさせない。水兵さんのセーラー服でラインダンスとか(足の露出がなく男性客には残念だったろう)、黒燕尾無しとか、お約束をいろいろはずしてはいるものの、ショーだけ幕見でもう一回みたい、と思うような楽しさだった。というのは多分わたしが安蘭けいさんを好きなせいだろうな。湖月さんより安蘭さんのほうが歌が多いし。安蘭さんには聞き応えある難易度高いナンバー歌わせてるし。いや、わかってらっしゃる。

隣にいたおばちゃんは湖月のファンだったらしく、芝居の間ずっと湖月さんの登場シーンだけ前のめりになって爆竹拍手を送っていたのだが、ショーの途中から急に安蘭さんに反応しはじめ、終演した瞬間にうずくまった状態で絞り出すように「安蘭けいさん、かっこいい……」とつぶやいていたのがおかしかった。