蜷川×松「ひばり」@シアターコクーン

蜷川幸雄の舞台への出演は、初顔合わせとなった1998年の「ハムレット」以来、9年ぶりとなる松たか子が、“ジャンヌ・ダルク”に挑む!!
13歳で神の啓示を受けフランスを勝利に導いたものの、その後宗教裁判にかけられ火刑に処せられた“ジャンヌ・ダルク”。その宗教裁判のクライマックスの中で、ジャンヌが神の声を聞いてからフランスを勝利に導くまでを描いたジャン・アヌイの名作『ひばり』が、ついにシアターコクーンに登場!!

松たか子は本当にすげえなぁ、といわせるための芝居じゃなかろうか。近年は彼女主演の舞台だとそんな印象しか残らなかったりするんだが。少年のようなショートカット&地味な衣装で出てくると、「キレイな女優さん」を見に来たお客さんはガッカリだろうけれど、あの声と目ヂカラであっという間にそんなガッカリ感も吹き飛ばしてしまうから凄い。
蜷川演出もシンプルに役者を見せるのに徹して外連味無し。まあ近年の作品ではあんまり花を落としたり馬を落としたり水槽に人いれたりしてないし、基本的に役者を信用して余計なことをしないような演出傾向になってんのかなぁ(とはいえ舞台経験の少ない役者が出るときは「この人がきっとアンダー」と推測できる人間が共演してることが多いようだが)。
しかしあれだけテンポよくセリフ言っても3時間半近く上演時間あるってどういうことだ。四季でやったら4時間以上かかるんじゃないのか(推測)。

それにしても小島聖とか月影瞳とか、↑にキャスト書こうとして初めて出てたって気づきましたよ。ほとんどセリフない役でよく出たなあのふたり……。そして橋本さとしがずっと一輪の花を持ってるのは一体なんの意味がッ。
2階席のため遠くてがっかりだったけれども、結果的には照明の美しさに救われた。


しかし、もとの戯曲をちゃんと知らないので「火あぶり→戴冠式」の流れにポカーンとしてしまいましたよ。