荒神@青山劇場

犬夜叉」に「阿修羅城の瞳」をちょっとまぜた感じ……などと言うと怒られそうだけど、別に悪い意味ではなく。今回は新感線がいい意味で「キッチリお仕事」してる感じの作品だった。ホンも演出もスタッフワークも劇団員も「イイ仕事してます」という印象。ひとつだけ気になるところがあるとしたら、一度死んだキャラが悪者に操られたりとか、実は黒幕は××といった新感線的なお約束が多すぎて、“自分の意志で動いてないキャラ”が多いのはどうなんだろうなー、という点。正直、だんだん誰が悪者で誰がイイ奴でもどうでもよくなってくる……。新感線の芝居なら3時間半の上演時間と入り組んだ脚本を覚悟で見に行くので別にいいんだけど、今回はプロデュース公演&上演時間2時間だと思って見にきたので、どうもこちらにも見る体勢が整ってなかったのかもしれない。(もっとRPG的にいくつか困難を乗り越えてラスボス倒してハッピーエンド、みたいなシンプルな話を勝手に期待してたのかも)
森田剛くん、セリフ回しがまだあんまりキレイじゃなくて耳に心地よくはないのだけど、やっぱりアクションシーンなんかのキレの良さはさすが。やっぱりジャニーズの男の子たちは動きに華があってこういう芝居には映えるなぁ。
田辺誠一さんとかもはや元の顔がわかんないようなメイクになってたけど、もともと虚構感あふれる顔立ちの人だし違和感ない。山口紗弥加嬢はもう野田地図とかでてるし何の心配もない安定感。劇団員にもきっちり見せ場があり、これはこれで新感線ファンとしては嬉しい限り。座付き作家の職人芸をみた気がする。