メディア@シアターコクーン

オープニングで(おそらく彩の国さいたま芸術劇場からもってきたであろう)アノ花が登場するのに始まって、もう相も変わらず「ザ・ニナガワ」な演出です。そしていつも通りの「ザ・大竹しのぶ」。もうね、気持ちいいくらい予想通りの芝居が出てきましたよ。いつも通り絶妙な小芝居するお馬さんもでてくるしね。そしてラストはお馴染みのアレです。この流れで来ると必然という気すらするけど、普通に観るとアレになんの意味が、とか思ってしまいますね。もう今更そんなこと気にするのも野暮なんでしょう、きっと。


そして今回のコロスはまるで宮崎駿のアニメに出てくる妖怪婆みたいですよ。そもそも蜷川さんのギリシャ悲劇ってトゥーマッチすぎてうすら笑いしながら観てしまうんですが、この妖怪、もといコロスたちがまるでシコを踏みながらセリフをいうシーンはもうトゥーマッチすぎて笑えますわマジで。


クライマックスで出てくるアレばっかりは蜷川さんにしちゃ珍しいもの使うなぁと思ったけどよく考えたら微妙に近いモノを「NINAGAWA火の鳥」でも使っていたかもしれない。観た瞬間に「龍戦車! 龍戦車!」とか思うのは古い新感線ファンだけだろうなぁ。ええ、ローラースケートはいたオロチ五兄弟がでてくるかと思いましたモノ。


まぁ見事に予想通りという意味では期待を裏切ってもいないわけで。
生瀬勝久さん、吉田鋼太郎さん、横田栄司さん、登場シーン少ないだけにぜいたくな使い方ですね。


大竹しのぶさんはいつも通りと書いたけど、やっぱ上手い。ヘタな役者が言うと意味を失い小難しい呪文に聞こえるギリシャ劇のセリフをああもきっちり消化して言ってくれる(当たり前のようでコレがちゃんとできる役者ってほんと少ないからなぁ)。もっとも、噛み砕かれすぎて分かりやすすぎて、みのもんたの電話相談レベルの「夫に浮気されたイチ主婦の嘆き」に聞こえなくもないんだけど。大竹×生瀬のかけあいはほんと解りやすすぎて「夫婦ゲンカ」だもんなぁ。分かりやすくて良いんだけど、なんか一瞬「ギリシャ劇」みてることを忘れてしまうのです。まぁいいのかな、http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/media/index.html ここによると「鮮烈な現代劇として蘇らせます」と書いてあるし。