オペラ座の怪人(映画版)

うーん……期待していたんだけどなぁぁぁ……。
ぶっちゃけ、舞台版のほうが好き
私が舞台好きだからそう思うのかなーとも思うんだけど、「シカゴ」なんかは映画のほうがむしろイイかもとも思うし、かならずしも感情移入の差だけではないと思うのだよな。屋上のシーンが終わったところで身体が休憩を求めてしまうせいでもないと思うんだよなぁ。そしてラウルの額の後退加減が気になるせいでもないと思うんだよなぁ(ああでもこれは本当に気になる……ラウルはやっぱり王子系の若い役者でお願い……)。うーん、来月四季版みにいくので、そのときに冷静に判断しようっと。


やっぱり何が違うって、「歌の聴かせ所」が映画だと退屈になってしまうという恐ろしい現象が自分の中に起きていたのが原因のような気がする。舞台だと歌に感動するはずの場面で、映画では「ストーリーすすまねぇなぁ」って思わず考えてしまったし。「The Music of the Night」でうっかり寝そうになるなんて舞台じゃあり得ないもの。
なんつーか、絵の情報量が全体的に足りないのかなぁ。カット割りといい一画面に収まる絵といい。まだ「The Point of No Return」とかは「ファントムがゾロみたい〜♪」なんて思いながらうっとりと見ていられるのだけど、それ以外の歌がどーもぶっちゃけ退屈なんですわ。そうするとストーリーのアラもきになってくるし。「The Point of No Return」歌ってる間はセクシーでダンディだったファントムが、マスクを取られたとたん急に額の境界線が後退するのも気になる。さっきまで目元だってフツーだったのにマスクとったとたんに目が変形して赤く化膿してる気がするんですけど? 気のせい?


The Point of No Returnは好きだったなぁ、個人的に。セクシー。


舞台だと「2時間強でこの内容は満腹感がある」と思うのだけど、映画だと「歌はわかったからストーリーすすめてくれー」ってうっかり思っちゃうんだよなぁ。なんでだろう。なんか舞台版のほうがストーリー急展開してる気がするしなぁ。場面転換にも時間がかかるはずなのに、体感時間がぜんぜん違う気がする。不思議。


しかも最強に期待していた「マスカレード」の場面。なにあれー。スカスカじゃーん。舞台のほうがなんかもっと「埋まってる感」があるような気がするんですけど。色彩が「白黒金」しかないせいかなぁ。舞台のほうは暗いけどもうすこし色数多かった気がする。あのスペースに倍の人数配置して踊らせてくれよ! とか思ったの私だけかなぁ。舞台の人間だったらあの余白が気になって仕方ないんじゃないかと思うんだけど……監督のジョエル・シュマッカーって一応舞台もやってるみたいだけど……。ぶつぶつ。もうこのマスカレードだけに1000円払うくらいの気持ちで見に来たのになぁ。


ここが一番の見せ場じゃないのかしら……。


そしてここまでミュージカル慣れしてきた私でも、やはりクライマックスでラウルが首をロープで絞められながら歌ってるのを見ると「お前はいま歌ってる場合じゃなかろう!」とツッコミたくなってしまう。


ああ、そしてやっぱりどうみてもファントムはただの変態ストーカーなんだよなぁぁ。クリスティーヌの人形とか部屋に置いてるし。好きな女子のフィギュア作って置いてある部屋に拉致監禁で「俺の嫁になれ!」だもんなあ。こええええええ。そんな人に「歌え! 私のために」とかいわれてもなぁぁぁ。しかも小さい頃からクリスティーヌに目をつけてたってことはかなりロリコンなわけで、今この時点だって彼女が10代ってこと考えるとかなり犯罪度たかいわけで。さすがミュージカル界三大ストーカーのひとり。(ちなみに1位はダントツでトート、2位;ファントム、ちょっと離れて3位:ジキル&ハイド)


宝塚でみたコピット版もそうとうツッコミ所満載だと思っていたけれど、ロイドウェーバー版もこうしてみるとツッコミ所多いなぁ! いい勝負だ。